「私は、神谷崎 真理でといいます。雪城様は、その……どちらのお家柄で?」
「お家柄……?」
お家柄ってなんだ!?
家の柄か?家の外装について聞いてるのか!
「家は、白地に赤い屋根の……」
「ぶっくく!!…菜智、家の色じゃないよ。ククッ…」
優は目に涙を浮かべながら、笑っている。
「すまない。彼女は、私のご贔屓にしている取引先のご令嬢でね」
「そうでしたか、名前を聞いた事がなくて、失礼いたしました、雪城様」
深々と頭を下げる神谷崎さんは、にこりとも笑わない。
「優様のお知り合いなのですわね、私もお話したいわ」
「私も、よろしくて?」
次々にわさあたしと優の周りには、人が集まってくる。
な、なんだぁ!?
というか、なんか気持ち悪い。


