「で、ここが俺達の教室だよ」
「はぁ」
優に案内されて入ったのは、まるで講堂のような広い空間だった。
これが、教室??
「黒板がない……」
「プロジェクターであのスクリーンに映し出すんだよ」
「あ、ありえねぇ……」
金持ちの世界って、こんななのか!?
ありえねぇー!!
学費いくらだよ!?絶対やばいだろー!!
「優様、ごきげんよう」
2人で話していると、そこに可愛らしい黒髪の女の子が声をかけてきた。
「やぁ、朝倉様。今日も可憐な花のように可愛らしいね」
「ブッ!!」
あ、やばっ……。
キザすぎて、つい吹き出してしまった。
「菜ー智ー??」
「悪かったって。じゃなくて、失礼しました」
優はそんなあたしを見て、可笑しそうに笑う。
「そちらのお方は??」
「えっと…雪城 菜智といいます。ごきげんよう」
可憐な花の人が話しかけてきたので、お嬢様を装って挨拶してみる。