「キャー!!優様ぁ!!」
「ギャー!!あの女性は誰なのかしら!?」
「私の優様がぁーーー!!」
あちらこちらから甲高い悲鳴が……。
「大丈夫?菜智?」
「大丈夫じゃねー。耳が痛い、頭が痛い、帰りたい…」
第一、これはレッドカーペットか!?足元にレッドカーペットが引いてある!!
しかも、ギャラリーに囲まれてる~っ!!
「まぁ、そのうち慣れるからさ」
「慣れるか!!む、無理だ!!もう、帰……」
「菜智、早く行こう♪見せたいモノがあるんだ!!」
踵を返そうとしたあたしは、不意に優の嬉しそうな顔を見て固まる。
優、なんか楽しそうってか、嬉しそう……?
何で……。
その笑顔に押しきられ、あたしは優と校舎へと入って行った。