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夜の街に足を向けると、すぐに変な勧誘に捕まった。
「お!超可愛いね、うちの店で働か……」
「話しかけたらコロス!!」
キッと勧誘してきた男を睨み付けると、「ヒッ」と怯えたように悲鳴を上げ、逃げていった。
また、キャバクラの勧誘かよ?それにしても、あたしの格好が悪いんか……?そんな、全力で逃げなくても……。
でも、これ格好良くね??
あたしは自分の姿を見下ろす。高校の制服に龍の刺繍が入ったジャケットを羽織り、太ももまで上げた丈の短いスカート。
そして何より……。
ショーウィンドウに映る金髪!!やっぱり、こんだけ目立たねぇと、『姫龍』総長の名が立たねぇ!
私は満足げに笑い、歩き出す。
夜の町は怪しい。あっち方面のお店やらなにやらの営業が活発だ。
当然それを目的に訪れる変態供で溢れかえっているわけだけど…。
「あー寝みぃーな…」
ここ最近あたしらの縄張りで好き勝手してる不届き者がいたな。
取り締まるのに一晩かかった。まぁ、抵抗なんてさせない、あたし等の圧倒的な狩りだったけど。
「ふあぁぁ…」
菜智は大きな欠伸をした。涙が滲んだ視界の中に、気になる物が入り込んだ。