「……な……きて……」
ん……?誰かの声がする。
「……きて…な…」
誰………?
深い深い眠りの底から、ゆっくりと意識が浮上してくる。そして、ゆっくりと、目を開けた。
「っ!!」
太陽の光が眩しくて、あたしは目を細める。
そんなあたしを、見つめている優と目か合った。
「菜智…おはよう」
「…ん…眠い………」
そう言って布団を被ると、優は布団ごとあたしをギュっと抱き締める。
「菜智に見せたい物が、あるんだけどな」
優は布団にくるまるあたしにそう言った。
「………見せたい物?」
その言葉に布団から顔を出す。
「菜智…目…つぶって…?」
言われた通りに目をつぶると、優に左手をとられた。
え………?薬指に感じるのは、冷たい金属の感触。
これって、まさか………。
淡い期待に、胸が踊る。
目を開けると、左手の薬指を見て、期待が現実へと変わった。
「…………………」
見間違いだろうかと、穴が空くほどに見つめた。薬指にはめられたのは、シルバーリングだった。
.
「俺と結婚して下さい、俺だけのプリンセス」
そう言って優は、あたしの薬指にキスをした。
「…………馬鹿野郎っ…!!」
ガバッ
涙を流して、優に抱き着く。
「泣き虫菜智ちゃん?」
そう言って優はあたしを抱きしめてくれた。
「……お前以外と、結婚する気はない…」
そう言って笑顔を浮かべると、優は不敵に笑う。
「菜智に拒否権はないよ?だって菜智は、俺のモノだから…」
そう言って優はあたしに深く口づけた。
総長であるあたしと、御曹司である優…。
全く違う世界で生きてきたあたし達。
だから出会えたのは何千億分の一の確率よりもっとすごい確率。
それでも出会ったあたし達は、運命で結ばれていたんだな。
「…優…愛してる…」
「知ってるよ……」
二人でそう言って微笑み合う。いつまでも、この幸せに終わりが来ませんようにと、永遠を願って。
fin


