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会場に入ると、すぐにあたし達の周りは、人に囲まれた。
「おめでとうございます、霧夜様に奥様が出来るのですわね」
「実に愛でたいねぇ…。…本当に美人さんだ」
そんな社交辞令に、あたしと霧夜は笑顔を返す。
偽物!だけどな!!一体なんだこの行列は……。
あたし達の前には物凄い行列が出来ている。
「………おい霧夜…」
小声で霧夜に話しかけると、霧夜は目線は前に向けたまま、あたしに耳を近付けた。
「こいつら何だ??」
「欲深い、馬鹿な人間達だ」
その驚くほど冷たい霧夜の言葉に、あたしは目を見開いた。
「霧夜…?」
「でもお前が、今日この偽で固められた世界を壊してくれるんだろう?」
また…だ。また、霧夜は意味深な事を言う。霧夜、お前何か知ってるのか??
「止まってください!!」
「ここは関係者以外……」
すると、何やら会場の外が騒がしくなった。
まさか、幾達が!?それを振り返ろうとした瞬間…。
「菜智、これでお前ともサヨナラだ」
「えっ……」
そう言って、あたしの傍から霧夜がいなくなった。
「霧……」
「菜智ーっ!!」
すると、聞き覚えのある声が聞こえた。
この声…嘘だろ、どうして!?
この声は、大好きで、守りたいと願った人の声だ。
「迎えに来た!!菜智!!」
振り返ったらやっぱり、そこには優がいた。
「優、お前なんでっ……」
「何も言わずに消えるなんて、後でお仕置きするから。覚悟してろ」
ドキッ
いつもの優とは違う口調に、胸が高鳴る。


