総長様、プリンセス修行始めました!

菜智side


ハッキングに成功して数日、あたしは婚約パーティのドレス選びから逃げ、メイドさん達と鬼ごっこをしていた。


「菜智様~!!ドレスを~っ!!」

「いやいやいや!」


婚約しないから!!全力で逃げるわ!!


あたしは廊下を爆走しながら、途中空いている窓の縁に足をかけ、飛び降りる。


「…………よっ」


飛び降りた瞬間、下に人影が見えた。


うわ!!やばい!!


「どいてくれーっ!!」

「…?」


相手が顔を上げるのと同時に、ドンッとあたしの叫びも虚しく、あたしは下にいた人間と衝突した。



「………あたた…!い、痛い………」


頭をさすりながら、目を開ける。そこには、霧夜がいた。


うえ!よりにもよって、霧夜の上に落ちるなんて!!ついてないな。


あたしが霧夜の上に乗り掛かるような体勢になってしまった。


「…痛いのはこっちだ…」


霧夜は不機嫌そうにあたしを見上げる。


「す、すまない!!怪我してないか!?」


あたしの言葉に、霧夜は驚いたような顔をした。


あ?なんだ!?てか、とりあえず無事みたいだな。良かった、あたしが殺人を起こすとこだった。



「お前、そっちが素か」

「え?」

「言葉遣い、地が出てるぞ」

「!!」


しまったー!!つい、地が出てしまった!!もう、一応プリンセス気取りしてたのに!!



「まぁいい。それより、なんでお前は上から降ってきたんだ?」


まぁいいって、わりと重要じゃないか??まぁ、命拾いしたけど!!


それよりも、婚約が嫌で逃げましたって言っていいのか!?いや、まずいだろう!!


「………それは、そんなに気にする事じゃないだろ」


返答に迷い、あげくそう言ってしらばっくれた。


この場合知らないふりをしたほうが、助かったりする。


「そうか、婚約が嫌で逃げたのか」

「えぇー!?何で分かったんだよ!!」


琢磨の事といい、こいつらエスパーか!?



「ところで…いつまでこのままでいる?俺は、ずっとこのままでも…」

「早急に退かせていただきます!!」


そう言ってすぐさま立ち上がる。