「入るぞ」


そう言って入ってきたのはあのパーティで会った、東宮 霧夜だった。


「あぁ…これはこれは、東宮 霧夜様ではありませんか。今日から東宮家にお世話になります。雪城 菜智と申します」


精一杯の嫌みを込めて、笑顔を向けた。


「そう殺気立つな、お前の事は知っている。公立の不良高校に通う高校三年生、『姫龍』の総長だったか」


あたしの事、調べたのか…。


「それと………」


そう言って霧夜は不敵に笑った。


なんだか嫌な予感がする。
もしかして、何か察してるか……?


「お前の両親の事…もな」


嫌な予感というものは当たるもんだな。


まさか……。幾にあたしの情報はガードさせてたのに、駄目だったか。いや、そこを防いだ所で、どこからでも漏れる。



「お前…警視庁捜査一家の娘らしいな」



霧夜の言葉にあたしは苦虫を噛み潰したような顔になる。


やっぱり、バレてた!!