「優……諦めるな」
「え…?」
あたしは、優の下で、優を見上げながらそう言った。
「お前の父親が社長だったとしても、優は優の正しいと思った事をやれ。たとえ、父親とぶつかったとしてもな」
後悔しても、取り戻せなくなってからじゃ、遅いんだ。
「今、優は何をしたいんだ?」
「俺は……俺は、天王寺財閥を守りたい。今まで作り上げたものを、無くしたくはないんだ」
そっか…。それが優の答えなんだ。
「それが聞けて良かった。なら、その道を進め。あたしが、優を守ってやるから…」
あたしは、優の頬に手を伸ばす。
優、あたしに出来る事を思い出したよ。あの、東宮財閥の霧夜ってやつ、あたしを欲しいって言ってた。
それで、交渉出来ないかやってみるよ。まぁ、それくらいでどうこうできるかは、分からないけどな…。
「守るのは、男の役目なんだけどな…」
優はまた、あたしに顔を近づける。キスの予感に目をつぶると、ツゥゥと、涙が流れた。
優、愛してる。もう、ここにいられなくなったとしても…。


