「………好きだ…優…」
たまらず、そう言って想いを告げてしまった。
「………………え…」
優は驚いたように、あたしを見つめたまま固まる。
「…好きだっつってんだろ…何度も言わすな」
「…菜智………俺は…菜智を傷付けて…」
そう言いかけた優に、自分から口づけた。
お願いだから、それ以上何も言わないで。あたしを、拒まないで…。
初めは驚いていた優も、身を預けるようにあたしを受け入れた。
どうか……。優の不安が消えるように…。
その為ならなんでもする。好きだ…優…。
「俺も…愛してる……」
「え……?」
「好きなんかじゃ、全然足りないくらいに、菜智を愛してる」
優は、真剣な瞳で、あたしにそう言った。優の言葉に今度はあたしが目を見開く。
愛してる……?これはあたしに向けられた言葉なのか?まだ実感が湧かないあたしに、もう一度呟く。
「愛してる」
それは、確かにあたしに向けられた、愛の言葉だった。


