なんだこいつ……。せっかく一人でいられると思ってたのに。
「…こういう夜会に出席するのは、初めてでして……」
そう言って笑顔を作った。
「そうか…こんなの来てもつまらないだろう?」
そう言って青年はバルコニーに手をついた。
「…あ…え?いえ、非常に勉強になる場だと思います」
「…そういうものなのか?」
そう言って青年は不思議そうにあたしを見つめた。そうしてしばらく二人で見つめ合う。
「さっき…」
「…はい?」
沈黙の中、先に口を開いたのは青年だった。
「仲間意識を感じるとか、言ってたな」
青年の言葉にあたしは頷く。
「何に対して言ったんだ?」
その言葉にあたしは目を見開いた。
そこに、話が戻るのか?
優とは違う意味でマイペースだ。優の場合、完全に分かってて話を反らすからな。
「いえ。たいしたことじゃ、ないんですけど…月が……」
あたしの言葉に、青年は小さく笑った。
「聞かせてくれ。こんな退屈な場所でも、お前の話を聞いていた方が何倍もましだからな」
言われた事は、なんだかシャクだけど、それがこの人にとっての一番の褒め言葉のような気がする。
「…ふっ…分かりました」
あたしは、笑顔を返し月を見上げる。
「パーティーから漏れる光は眩しすぎて、その光に星は
飲み込まれてしまう。それでも負けずに、月は輝いているけど、やっぱり一人ぼっちなんだなと…思ったんです」
こんな全く未知の世界で、一人ぼっちなあたしと同じだ。
「……………くくっ…」
しばらく目を見開いて固まっていた青年は、突然笑い出した。
な、なんだ!?急に笑いだしたぞ!?
そんな青年の姿を見て、今度はあたしが目を見開く番だった。
「お前みたいなおかしな事を言う女は初めてだ」
その言葉にあたしはムッとした。


