「…………優…」
小さく呟くと、名前を呼ぶだけで胸が締め付けられる事に気づいた。
優……。あたしは、優の事を考えるだけで、苦しい。他の誰かなら、こうはならないんだ。
放課後、校門の前に、いつものように迎えに来る車には、優の姿がなかった。
「……………優…」
朝あんな事言ったから、呆れられたのか…?
そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか、運転手のお爺さんが説明をしてくれた。
優は体調を崩した現天王寺財閥の社長、つまりお父さんの代わりに仕事をしているらしい。
「……………はぁ…」
ついついため息が出る。
朝の事をちゃんと謝ったほうがいいかな…。少し、言い過ぎたかもしれないし。


