「大丈夫です」
朔はあたしの気持ちに気付いたのか、安心させるように笑顔でそう呟く。
その言葉にホッとして、あたしは小さく頷いた。
「日も暮れて遅くなっていたので、送っただけですから。それでは、私はこれで」
そう言って笑顔で帰っていく朔を、見送る。その場に残された二人に会話は無い。
ーガチャンッ。
「……………はぁ」
部屋に入り、あたしは深々とため息をついた。
今日は色々と疲れた気がする。
結局一言も話せずに部屋に入った。
というよりあっちも、話したくなさそうだったからな。
「…………どうしろと?」
あっちにその気が無い以上…。会話すら出来ない。


