「おはよー詩麻」

朝食の準備をしている隆貴が私を見ながらニコッと笑った。少し眠たそうな目で。

「うん、おはよう。」

そしておうちゃんを見やると、テーブルにお皿を並べている。
朝日に照らされて、とても綺麗だった。

「・・・・・・。」

でもやっぱり、少し体調が悪そうにも見えた。

そーっと、席につく。



「はーい、みんな、俺特製フレンチトースト、召し上がれ〜」

隆貴の声が聞こえた。
すると目の前に、美味しそうなフレンチトーストが置かれた。


「わぁー!!美味しそう!!いただきマッス!!!」

藍実がすぐに、フレンチトーストを口に運ぶ。

「おいひい〜」

藍実をちらっと見る。
心底幸せそうな顔をしていた。

私も続けて食べてみる。

「お、おいしい・・・これ、すっごく美味しいよ!!隆貴さ・・・隆貴、料理上手なんだね!!!」


あまりの美味しさに、私が隆貴の方を向いて言うと、隆貴は少し驚いたような顔をしながらも、ほほをほんのりピンクに染めて、

「ん・・・ありがとう・・・」

「うん!」


あんなに照れ屋さんだったっけな?
首をかしげてみる。

そして、前の席に座っているおうちゃんを盗み見した。

「・・・・・・」

不意に、おうちゃんがこっちを見る。
おうちゃんは微笑んで、

「さっきはありがとね。」

と、私に言った。


心臓が飛び跳ねる。

好き、なんだな・・・。


「う、うん・・・!」


その時、藍実がニヤッとするのを、私は見逃さなかった。