初めは私と喋ることもできなくて。

触るなんてもってのほかで、

それでもいつの間にか距離が縮まって。

久瀬君の素顔とか、女性恐怖症のわけとか、

どんどん久瀬君を知っていって、

好きになって、

途中独占欲が湧いたり、色々あったけど

今、隣で手を繋ぎ合って歩いてる。

じっと見つめていると久瀬君がふと私を見る。

「どうした?」

そんな一言にもきゅんっとしながら、笑顔で答える。

「ううん…好きだなって思ったの」

「……そ」

そう言って真っ赤になって顔をそらす久瀬君に

ふふっと微笑んで、

少し強く握られた手をきゅっと握り返した。




2017/4/28 Thank you for reading. Moonstone