そう言ってプリントを写し始める私と和樹。

「…俺さ、今日なーんか忘れてる気がする」

「んー…忘れ物でもしたんじゃないの?」

「いや、そうじゃなくてさ…」

もう、なんなのよ。

「…あっ、日直か」

「ああ〜、忘れるよね」

他人事の私と

猛スピードでプリントを写す和樹。

「俺こんな速く字書けんだな」

なーんて言いながら写し終わると

教室のドアに向かう。

「じゃー行ってくるな」

「いってらっしゃーい」

見送ってからふと気づく。

…あれ?

和樹いなくなったし

まだ朝早いからみんな来てないし…