久瀬くんは〇〇恐怖症

翌日の昼休み。

バサバサバサっ…!

私の手から数冊の本が滑り落ち、

それと同時に声をあげる。

「く、久瀬君っ」

目線の先には昨日からずっと会いたかった久瀬君。

しかもなんと眼鏡なしのイケメンバージョン。

「大丈夫か?」

「う、うん。
それよりどうしたの?
眼鏡も、もしかしてまた取られたの?」

本を拾いつつそう言った私に、

そんな私を手伝いながら口を開く久瀬君。

「…いや、まあちょっとな」

えっと…

「とりあえず大丈夫ってこと?」

「まあ」

「そっか…」

よかった…

そう思って安堵していると、

久瀬君は首の後ろに右手を回しながら口を開く。

「お前はどうしたんだ?こんなところで」

「あ、うん。あのね、あはは、ちょっと…ね…」