「はぁ〜…久瀬君、だいじょう…」

そう言いかけて、

ふとなんだかいつもより温かい右手を見る。

…ん?

…え、あ…

私、手繋いで…

「っ…!ご、ごめんっ」

「いや、別に…」

どうってことないから、と言って外を見る久瀬君に、

まだなんとなくドキドキ。

そういえば今日はじめて喋ったかも…

ドキドキもそのせいかな?

「大変だったね」

「ああ、眼鏡取られたのは失態だった…」

そう言ってがくぅっとうなだれる久瀬君。

なんかもうこの世の終わりみたいな顔してる…

「女子、すごかったもんね…」

「…ああ」

そう言ってうんざりしたような顔をする久瀬君。

そんな表情でさえかっこいいな…

って、今はそんなの思ってる場合じゃないけど。

それにしても…