私はため息をついた後夕実に向きなおる。

「なんかごめんね…」

「いいよいいよ、気にしないで。
それより…」

そう言ってチラッと私の後ろの方に目をやる夕実。

…?

「久瀬君、いいの?
せっかくなんだから一緒に回ればいいのに」

「…え!?」

なな、なんで急にそんなこと…

「動揺してる場合じゃないでしょ?
修学旅行なんだし、ちょっとくらいいいんじゃないかな」

そう言って私を見る夕実に

頭の中がぐるぐるしてくる。

「で、でも…「優雨!お前観覧車乗れる!?」

…迷っている乙女に対してなんの質問じゃい。

という視線を、

少し前に歩いて行ったはずの和樹に送る。