久瀬くんは〇〇恐怖症

「…っていうかなんで私たち引き込んだの?」

ほんと、なんという巻き込み事故。

「んー、なんとなく?」

「なんとなく?じゃないでしょーが」

「まーいいじゃん?結果オーライ」

「オーライって…
なにがオーライか教えていただけませんかお兄様」

そう言って肩をすくめる和樹にため息をつく。

これから私と夕実、

ぜーったい女子みんなに睨まれるな…

さっき私たちが逃げたときさえあの殺気。

心なしか私と夕実が二人と逃げ出した瞬間

あの殺気増した気がするし…

「はぁ〜…」

「なんだよ何回もため息ついて。
悪かったよ。
そーいや俺と久瀬、全然乗り物乗ってねぇな。
なんか乗りに行くかー」

久瀬君に、な?と問いかけ、

戸惑っている久瀬君を連れ出す我が兄。

マイペースにもほどがあるでしょ…