あさ。

「繭、起きろ。」

社長の声で目覚めた。

「あ、おはようございます。」

「はよ。」
そう言うと少し微笑んだ。

私は思わず顔を背けた。

見れない…

無意識にでも昨日の声と光景が頭をよぎる。

お母さんもお父さんも朝風呂に行ってるみたい。

「なあ繭、こっち向けよ。」