私には貴方だけ


「1ヶ月前、ここに来た時点で姫奈の存在は他の族に知れ渡っている。姫奈が狙われるのも時間の問題だ。だから俺たちは姫奈を護る義務がある。」




「ふざけんなっ!最初からそれが目的だったんだろ!」




「当たり前だろ。姫奈に居場所を作ってやるのが俺の目的だ。」




どんどんハードになって行く言い争い。




やはりアランと怜夜様は相性が合わないらしい。



「お嬢様は俺一人で護る。お前たちと一緒に行動なんてさせない。」




「アラン……私はまた一人ですか?」




「っ………」




言葉が詰まったアラン。



産まれてからずっと一人で病院で過ごしてきた。



イギリスに行ってからも基本家から出ることはなく、アランと二人きりで過ごしてきた。



せっかく帰ってきた日本でも、私はまた一人なのだろうか。