私には貴方だけ


緊迫した空気は変わらないまま、怜夜様の説明が始まる。




「さっきも言った通りここは暴走族だ。まぁ世間から見たら社会のはみ出し者の集まりかもしれない。」



「ほらな」



「アラン。」



「………はい」




全く。困ったものです。




「俺たち雅は、全国トップの族だ。
その地位を求めて俺たちを襲ってくる奴らなんてたくさん居る。
そして、狙われやすいのは女だ。」




「女、ですか」



どうしてだろうか。



「女が暴走族に入る方法はただ一つ。姫になる事だ。」




「姫、とはなんですか?」