私には貴方だけ


揉めているアラン達が怖くて、お兄様の席へ移動する。



「お兄様……」



「ごめんね姫奈。怖いよね」




眉を下げて困ったような顔をするお兄様。



コクリと頷くと、私の頭を撫でるお兄様。



「アランが言ってる事も確かに合っているんだけどね?さすがにこんな場所呼ばわりされるとね……」




「……お兄様は、この場所が大切ですか?」




「大切だよ。とても。ここが…雅があるから今の俺が居るんだ。」




「そうですか……」




お兄様の大切な場所は、私にとっても大切な場所だ。