私には貴方だけ


「多分俺との時間より、怜夜との時間の方が長いんだよね。
だから姫奈は怜夜っ子なんだよ。」



やれやれと困った顔をするお兄様。



「「ひゅーー」」



希沙様と海季先輩の反応が謎だ。



何故冷やかされるのだろうか。



ちょっと話に付いて行けない。



「姫奈ちゃんって病院に居る時何して過ごしてたの?」




「病院に居る時ですか?病院に居る時は毎日本を読んでました。
あとは外を眺めたり、看護師さんとお話したりしてました」




外に出る事が許されていなかった為、病院に居る間外に出たのは一度くらいしかない。



「へーそうなんだ」



「つまんなくなかったの?」



「少しつまらなかったです」



外で遊んでいる同年代の子供を見て、少し…いや、かなり羨ましかった。