私には貴方だけ


「んじゃまたあとでねー!」



手を振りながら教室を出て行った希沙様。



今気づいたけど、女子の皆さんが希沙様を見て頬を赤らめている。



「希沙様素敵ぃ」

「カッコイイわぁ」

「いつ見てもカッコイイわ!」

「さすがアメリア様。希沙様とお近づきになれるなんて」

「羨ましいわ」



曖昧に微笑んで会釈をする。



授業の始まりを告げるベルが鳴り席に着く。



そして昼休み



「アラン、行きましょう」



「はい」



昼休みになるのを楽しみにしている自分がいる。



アランは多分、怜夜様達に会うのが嫌らしい。



私の想像でしかないけど、長年一緒に居るとなんとなく分かる。



何が嫌なのかはさすがに分からないが。