私には貴方だけ


「てめぇ、姫奈に何言った」



「私はなにも……」



「あ"ぁ?」



「ひっ……」




女の髪の毛を掴んで冷たく、威圧感のある声で尋問を続ける霧野怜夜。



「あ…姫奈、大丈夫?ごめんね」



俺たちの存在にいち早く気づいたのはお嬢様の兄である真白。



「大丈夫です。それより……」



霧野怜夜の方に視線を向けるお嬢様。



自然と俺たちも霧野怜夜の方に目を向ける。



「クソ女、いい加減答えろ」



「ひっ…痛っ……」



「姫奈になにした」