私には貴方だけ


目の前には



「お嬢様!」


「「姫奈!」


「「姫奈ちゃん!」



尻もちを着いて怯えているお嬢様と、仁王立して鬼の形相のケバい女。



多分こいつが岡田麗華だろう。




怒りが込み上げてくる。




「おい」



霧野怜夜の低く唸った冷たい声に、肩をビクっと震わせた岡田麗華。




「姫奈に何をした。」



「れ、怜夜様……その…これは…」



「姫奈に何をした。」



「や、私は何も……」



「あ"ぁ?」



「ひっ……」