私には貴方だけ


「ちなみにどこに連れてかれたかわかる?」



「多分体育館の方かと思います。」



「そっか。ありがと」



桃瀬希沙の微笑みに顔を赤くする女生徒。



「体育館だ。行くぞ。」




霧野怜夜が仕切ることも気にくわない。



だけどこの際仕方ない。



優先すべきなのはお嬢様の身の安全だ。



女の罠に引っ掛かるなんて執事失格だ。