私には貴方だけ


「ちっ」


「姫奈が危ないってどういう事だ」



霧野怜夜、気にくわない。


「俺の予想が正しければお嬢様は岡田麗華とか言う女に連れてかれた筈だ。
現に俺は騙された。」



不覚だった。



俺に伝言を伝えた女もきっと岡田麗華の手下だろう。



「ねーキミ。姫奈ちゃん見なかった?」



桃瀬希沙が廊下を歩いてた女生徒に聞く。



「アメリアさんなら麗華さんに連れてかれてました。結構無理矢理な感じで……」




「「ちっ」」



霧野怜夜と舌打ちがハモった。




その事にまた舌打ちをしたくなる。