アランの表情は、決して冗談を言っているようには見えない。
「先程、お嬢様の婚約者が決まった。お前じゃない。ジャスティンだ。婚約者が決まった以上、他の男と付き合う事は出来ない。だから別れてくれ。お嬢様が決めた事だ。」
「姫奈に伝えろ。"断る"と。」
「んなこと無理だ。」
「俺は諦めない。」
姫奈と絶対に婚約してみせる。
「その言葉、絶対だな?」
「あぁ。姫奈を手放すなんてあり得ない。姫奈は俺のものだ。」
「ジャスティンにはパーティの日に婚約の事を伝えるらしい。それまでが期限だ。お前に一つアドバイスしてやる。」
「なんだ?」
「旦那様は押しに弱い。それだけだ。後はお前でなんかしろ。」
じゃあなと言って部屋を出て行ったアラン。
部屋には沈黙が走る。


