私には貴方だけ


「……それにしても姫奈、綺麗に成長したな。」



目の前に座るお兄様は優しい眼差しで私を見ている。


そのとなりではアランと怜夜様が睨み合っているのだけれども……



どうやら二人は相性が悪いらしい。



「ありがとうございます。」



お兄様もとても顔が整っていらっしゃる。


と言うか、桃瀬様も海季先輩も怜夜様もアランも全員が全員して俗に言うイケメンだ。




これは女性が放っておかないだろう。



キーンコーンカーンコーン



するとちょうどお昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。



「お兄様、たまには家に帰って来て下さいね。ではアラン、行きましょ?」



「はい。」



難しい顔をしているお兄様を横目に私とアランは立ち上がる。