「俺も昨日、姫奈から話を聞いた。そういう事情があるならもっと先に言ってくれれば良かっただろ」
「えぇ、そうね………」
申し訳なさそうな顔をする父さんと母さん。
「姫奈は一人で病院で過ごしていた時間が長い所為か、人一倍家族に思入れがあるんだ。姫奈の為にもまた……家族で居たいんだ。」
「俺も姫奈には弱いからな……」
可愛い妹の強い姿を思い出して思わず苦笑する。
姫奈にあんなに言わせてしまうなんて兄として格好が悪い。
「仲直り……してくれるか?」
父さんは不安気に俺に聞く。
「あぁ。また、家族になろう。」
「家に帰ってきてくれる?」
「あぁ。なるべく帰ってくる。」