場所を聞こうと思ったけど、教えてくれなそうだし何より父さん達の顔を見たくない。
俺たち親子の間には深い溝が出来ていた。
それから俺は雅に出会い、居場所が出来た。
雅の溜まり場には仮眠室がある為、俺はそこで寝泊まりをすることにした。
家に帰ることはなくなった。
父さん達から電話が毎日掛かってくるけど、俺はそれに一度も出た事はない。
そしてある日突然、帰って来た姫奈。
あの時は本気で驚いた。
歩けるようになってるし、綺麗に成長してるし、何より外人の執事連れて帰って来るし……
頭がパンクしかけた。
でも、帰って来てくれて本当に良かったと思っている。
姫奈は俺が家に帰って来ない事に何も言わないけど、そろそろ話してもいい頃だと思っている。
まぁアランがそれを許してくれないけど……


