私には貴方だけ


母さんが後ろにフラフラ倒れかけるのを父さんが支える。





姫奈………



姫奈の病状がこんなに重いとは思わなかった。





最近元気だから治ってきたのかと思っていた俺を恨む。





ベッドでスヤスヤと寝ている姫奈。





俺は寝ている姫奈の頭を撫でる。





医者が頭を下げて病室を出て行った。





病室には母さんの啜り泣く声だけが響く。





暫くして俺たちも家に帰った。




「おやすみ……」





夜も遅かった為寝る事にした。