私には貴方だけ


そんな楽しい日々はあっという間に過ぎた。



姫奈が家に来て二週間が経ったある日。




その日は姫奈の調子が悪かったから、ベッドで寝ていた。





俺は姫奈の隣で手を握りながら話をしていた。





「お兄様……」





明らかに具合が悪そうで元気がない姫奈。





「ん?どうした?」





「お水取って頂けますか?」





「あぁ。飲めるか?」





「はい。」




ゆっくりと身体を起こした姫奈に水を渡す。





水を飲んでからまたベッドに身体を沈める。





俺は姫奈を元気づけようと学校での話をたくさんした。





姫奈は声に出して笑うことはなかったけど、微かに笑ってくれた。





そして夜、食事をする為に一度姫奈の部屋を離れた。