私には貴方だけ


病院に着いて俺は昨日の病室に行く。





着いたのはいいけど……扉を開ける勇気がない。





どこまでも俺はチキンだ。




迷っていると、怜夜が思いっきり扉を開けてしまった。





「あっ、ちょ、怜夜!」





怜夜に着いて俺は病室の中に足を踏み入れた。






「誰、ですか?」





ベッドに居たのは、俺と同じ髪の色をした綺麗な女の子。





「俺、お前の兄ちゃんだ!真白って言うんだ。よろしくな、姫奈……?」





俺は勇気を振り絞って目の前に居る妹に自己紹介をする。





これが、姫奈と交わした最初の言葉だった。




怜夜も自己紹介をして、姫奈も挨拶をしてくれる。




どうやら姫奈は俺の一つ下らしい。




そして聞けば、姫奈は身体が弱くずっと病院に居たらしい。





一度も外に出たことがないという姫奈に驚いた。