緊迫とした空気が流れる。
食事の途中だけど会計をして、急いで車に戻る俺たち。
「病院に急いで!」
「畏まりました。」
運転手の田中も、母さん達の表情から何かを察したのか急いでペダルを踏んだ。
姫奈って奴の事を知りたいけど、なんとなく口を開いてはいけないような気がした。
病院に着くと、エレベーターに乗る。
父さんが最上階のボタンを押した。
取引先の大切な顧客か何かだろうか?
最上階に居るんだから、それなりの地位に居る人だと思った。
最上階に着いて、迷わず一番奥の部屋に入った父さんと母さん。
それに続く俺。
病室に入ると、たくさんの医者と看護師がベットを囲んでいた。
「先生!姫奈は!?」
「今は落ち着いています。ですがまたいつ発作を起こすかわかりません。油断を許さない状態です。明日には良くなっていると思うので安心して下さい。」
「良かったぁ」
安心したのかフラついた母さんの肩を抱いた父さん。
ベットに居る姫奈って奴の顔は、医者と看護師が居て見れない。