私には貴方だけ


「何故名前を……」



「姫奈っ!」



私の名前を呼んで抱きしめようとした金髪の人。



それは惜しくも叶わず、アランが止める。



「お嬢様に触れるな。」



「お前は誰だ。」



アランに鋭い視線を向ける金髪の人。



空気がピリピリしていて少し怖い。



「お嬢様の執事だ。」



「執事だと?今時執事なんていないだろ」



鼻で笑う金髪の人。



「いえ、アランはイギリスの執事育成学校を卒業している立派な執事です。」



「……そうなのか」



私が言うと、今まで掴みあってた手を離す金髪の人。