「好きでない人と結婚するのには抵抗がありません。そう教育を受けてきたので。だけど…本音を言えば、好きな人と結婚してみたいです。」






「あぁ。そうだな。」






満足気に私の頭を撫でる怜夜様。






「姫奈は、好きな奴いるのか?」






「たくさん居ます。怜夜様はもちろん、お兄様に希沙様に海季先輩にアランに……」







「そうじゃない。恋愛の意味で、だ。」






「恋愛、ですか……」






お祖母様に、恋愛を絶対にするなと口酸っぱく言われて来た。





理由はただ一つ。結婚する時にその感情が邪魔になるからだ。






だから恋愛とは無縁で育ってきたから、私の答えはもちろん





「いません。」





これに限る。