「姫奈に話したい事があるんだ。」
真剣な表情の怜夜様に、私も姿勢を正す。
「はい。」
「姫奈はジャスティンとか言うあの男と結婚したいのか?」
「………現段階ではジャスティンと結婚すると思います。」
それは変えられない事実。
一番有力なのがジャスティンなのだ。
16歳になったら好きでもない人と結婚する。
小さい頃からそう言って教育を受けてきた。
だからジャスティンと結婚するのは抵抗ないし、それは他の人になっても同じだと思う。
「そうじゃない。俺はお前の気持ちを聞いているんだ。」
「私は………」
私は、どうなんだろうか?
そんな事一度も考えた事なかった。