「くそっ!」
「ふざけんなっ!」
ベッドを叩く俺と真白。
姫奈の近くに一番居たくせに、何も相談にも乗ってやれなくて、姫奈の悩みに気づいてやれなくて、そんな自分にイライラする。
姫奈、ごめんな……
その日から、真白は俺の家に泊まるようになった。
そして親父さん達が出張で家に居ない間だけ自分の家に帰るようになった。
イギリスに行っても居場所が分からないから姫奈に会いに行けないまま10年と言う年月が経った。
俺たちは高校に上がり、生徒会をしている。
ある日真白からのメールで生徒会室に行くと、知らない女の後ろ姿があって、それが姫奈だと分かるとものすごく驚いた。
まさか姫奈が帰って来たなんて……
夢にも思わなかった。
「怜夜様」
綺麗に成長した姫奈ら昔と変わらず、俺の名前を呼んでくれた。
それがあまりにも愛おしくて。
やっぱり姫奈が好きなんだと再確認した。