私には貴方だけ


姫奈は初めて見る所だからか、キョロキョロと辺りを見回している。





「怜夜様……」





「ん?どうした姫奈」






「私、外に行ってみたいです」






姫奈が指を指したのは中庭だった。






そういえば姫奈は外に一度も出た事ないんだっけ?






「行ってみるか!」






「はい!」





車椅子を押して中庭に出る。





中庭には子供が走り回って遊んでいたり、老人が看護師さんと一緒に散歩してたりしていた。






「わぁ!初めて外に出ました!怜夜様!」





珍しくテンションの高い姫奈。





年相応の子供のようにキャッキャとはしゃいでいる。