私には貴方だけ


「車椅子で歩けなくても、姫奈は姫奈だ。俺は同情なんてしない。姫奈は可哀想なんかじゃない。」






「ふふっ。ありがとうございます。」






すると嬉しそうに微笑する姫奈。






「よし!行くか!」






「はい!」






「あともう一つ。」






「なんですか?」






「自分の身体の弱さを責めるなよ?お母さん達から貰った大切な身体なんだ。姫奈は姫奈のペースで歩めばいい。」







「そうですよね。元気出ました。」






俺の方を振り返って笑ってくれた姫奈。





その行動でさえ俺の胸はドキドキする。