私には貴方だけ


看護師さんの首に掴まった姫奈は、広げられた車椅子へとゆっくり降ろされる。






「……車椅子?」





なんでだ?






「怜夜君に話してなかったの?姫奈ちゃん」







「言える機会がなかったので……」







「私から言うのもあれだし、姫奈ちゃん説明してね。じゃ、私はこれで」






そう言って病室を出て行った看護師さん。






病室には立っている俺と、車椅子の姫奈。






「私、身体が弱いからずっと寝たきりの生活だったんです。」






姫奈は話し出した。






「あぁ。」