「ジャスティン様はお嬢様の婚約者"候補"だ。」





「婚約者"候補"?」





「丁度いい機会だし話してやる。
お嬢様が日本に帰って来た目的の一つとして、婚約が含まれている。」






「あ"ぁ?」





婚約だぁ?





「大企業の娘なんだ。16歳になったら婚約する。それが当たり前としてお嬢様は生きてきた。
あの男は婚約者"候補"の一人だ。」






「じゃあ他にもいるって事?候補の人」






「いや、まだ決まってないがもう少ししたら日本でも婚約者が決まるだろう。」





「ちっ」





無性にムカつく。




姫奈と結婚するのは俺だ。




何年姫奈を思い続けて来たと思ってるんだ。





思わずアランの胸ぐらを掴む。





「ちょ、怜夜落ち着いて」





「………頭冷やしてくる。」





シャンパンを貰ってバルコニーに出る。




外の景色を見ながら、姫奈との出会いを思い出していたーーーーーー