私には貴方だけ


「虫が付く。」





「?」





「お嬢様にそういう事一々言わなくていい。黙っとけ。」






「あ"ぁ?こんな可愛い姫奈をパーティなんか出したら害虫がくっつくだろ。」





「その心配は必要ない。俺が常に見張っているから大丈夫だ。」






……全く話についていけない。





お兄様達はウンウンと頷いているし、置いてけぼりなのは私だけだ。






プクっと頬を膨らます。





「姫奈、拗ねないの。可愛い顔が台無しだよ?」






「怜夜様とアランはなんの話をしているのですか?」






「ん?姫奈が可愛いね、って話。」






全く分かりません。





『皆様、パーティ会場までご案内致します。』





意外にも、二人の喧嘩を止めてくれたのはメイドの一人だった。





「それではパーティに行きましょう。」





こうして私たちはパーティ会場へ向かった。