「うそっ!」

「でも言われてみれば似てる!」

「美形兄妹じゃん!」


このクラスは小声で話すのが好きらしい。


「じゃあ席は一番後ろのあそこな。」



指定された席は、窓側の一番後ろ二つ。


私が一番窓側で、アランがその隣に座った。



「んじゃホームルーム始める」





「以上だ。授業を頑張るように。」



ホームルームが終わると、私とアランの周りに人が集まる。



「アメリア様御機嫌よう。私、安田コンポレーション一人娘の加奈と申します。以後お見知りおきを。」



そんな調子でたくさんの人に自己紹介をされた。



みんな、"私"と仲良くなりたいのではなく、"私の家"と仲良くしたいのだ。



アメリア財閥は、世界で五本の指に入ると言われている一流企業。


そことのパイプが欲しくてみんな私に媚を売ってくるのはいつものこと。



イギリスにいる時もそうだった為、もう慣れている。