「お父様、お兄様はどちらに?」



たった一人の兄妹であるお兄様が見当たらない。



「…あいつは最近反抗期でね。連絡が取れなかったから家に居ないよ。」



少し悲しげな表情で答えてくれたお父様。



「そうですか……」



それは残念です。



シュンとしていると



「でも、これから姫奈の通う高校にあの子も居るから大丈夫よ。必ず会えるわ。」



お母様がフォローしてくれた。



「まぁ!それは良かったですわ」



その一言で私の顔もパァっと明るくなる。