私には貴方だけ


お兄様に似合っていると言われた時より、怜夜様に言われた時の方が嬉しいのは何故だろう?




「次の服を着てこい。」





頭をポンポンして下さる怜夜様。





怜夜様のポンポンは好きだ。





「着ました」





「あぁ。似合ってる。これで終わりか?」





「はい。」





「じゃあ次は俺が選んだ服着て?」






「あ…はい」





海季先輩はそう言ってズイっと服を差し出す。





また着るのか……





「お嬢様、無理はなさらず。お嬢様は疲れているんだ。無理をさせるなアホ。」






「アホって酷いよアランちゃーん」